エリック・ルーが描くショパンの世界

2025年12月16日 08:41

こんにちは😊
川口市の田中ピアノ教室です。

昨日、ショパン国際ピアノコンクール優勝者、エリック・ルーのガラコンサートへ行ってきました。

前半はノクターンから始まり、静かに歌う旋律に自然と引き込まれ、客席全体が深い静寂に包まれるような時間でした。続く舟歌は、私自身も大好きでよく弾く曲。メロディの出し方の美しさ、伴奏との絶妙なバランスに思わず聴き入ってしまいました。前半の叙情性あふれる風景から、中間部の内面的な深まり、そして後半に向かって高まっていく構成。生の会場で聴くことで、音の奥行きや立体感、響きの変化がよりはっきりと感じられ、「これが生演奏の力なのだ」と強く実感しました。エリックの幻想ポロネーズを生で聴けたのは凄く嬉しかったです。

エリックの演奏は、派手な奏法で聴かせるのではなく、ショパンの内面性に深く寄り添い、最も美しく聴こえる“陰”の部分を大切に表現しているのが印象的でした。弱音の繊細さ、音と音の間の空気感、そして一音一音に込められた呼吸から、ピアノという楽器の表現力の豊かさを改めて感じました。

後半のポロネーズ、ソナタ第3番も圧巻の演奏。エリックは後半に椅子を変えて、弾き方もダイナミックに。音の鳴りも変わりましたね。大きなホールいっぱいに響く力強い音から、繊細な弱音まで、1台のピアノでこれほど多彩な世界を描けることに、改めて感動しました。

アンコールでは、ワルツ第7番・第5番、そしてバッハのアリアが演奏され、どの曲も本当に美しく、心が洗われるような時間でした。ワルツ7番の解釈が、テンポや強弱の持っていき方などすごく勉強になりました。バッハのアリアは先日、務川さんのコンサートでも同じ曲だったので、最近のアンコールの流行りなのか…笑 そしてピアニストによって全然弾き方が違うという面白い発見もありました。

生演奏だからこそ伝わる音の温度、響き、空間との一体感。
ピアノという楽器の奥深さと、ショパンの心を存分に感じた、あっという間の2時間でした。

ショパンコンクール優勝者エリックルーのコンサート
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